写真の再撮影

DSC_0063平成24年に静岡県三島市で発生した事故の実況見分調書に貼付された写真を12月15日に検察庁で再撮影した。このような実況見分調書はよく白黒コピーが鑑定資料として提示されるが、事故鑑定ではカラー写真が白黒コピーされたものは資料に値しないのである。

埼玉県のある依頼者談

ある日、妻が事故に遭いました。妻の乗る自転車が、交差点で信号を渡り切り、そのまま左側を直進していたところ、後ろからやってきた自動車が接触したのです。車体の左側面が自転車に当たり、自転車がバランスを崩し、妻は道路中央方向へ転倒しました。幸い後続車はいなかったのですが、転倒によって粉砕骨折し、のちに二度の手術をする大怪我をしました。

相手側は、「こちら(車側)が悪いのでなんでも保険会社に言ってほしい」と述べており、相手保険会社も、「こちら側(車側)が治療費を含めた損害を補償します」と述べていたため、事故の補償にかんして、当初は甘く見ておりました。ところが、相手保険会社がリサーチ会社を入れ、そのリサーチ会社のレポートが仕上がった段階で、突如、妻の自転車のほうに過失がある、と主張してきたのです。

突然「妻の自転車側に過失がある」と言われ、当然のことながら納得することはできません。いったいなぜそのようになってしまったのか、理由もまったくわからないのです。私たちは、記憶の曖昧な警官への聞き取り調査により、リサーチ会社の恣意的な誘導尋問が行われたのではないか、と推察しました。なぜなら、事故を見聞した担当警官は、事故の後に連絡をとった時点でも、「事故のことはよく覚えていない」と言い切っていたからです。実際、事故調査の図面そのものに間違いが多く、相手側の主張そのものに矛盾点が多いなど、リサーチ会社のレポートはずさんなものでした。実際の事故の場所は交差点をずっと過ぎたところであったのにもかかわらず、レポートでは「交差点内の事故」として扱われ、実際には妻は後ろから来た車に衝突されたのにもかかわらず、レポートではむしろ妻のほうから車の側面に突っ込んだとされていたのです。

しかし、自転車の側から自動車の側面に突っ込んだのであれば、「前輪」が破損するはずです。しかし、前輪にはまったく損傷がありません。しかも、車の側面のキズは、前輪の高さとはまったく異なる箇所に付いているのです。つまり、客観的な事実はまったく無視され、警察官のあいまいな記憶を都合よく「活用」したレポートが作成されていたのです。

この社会的不正義に強い憤りを感じた我々は、「誰かがこう言った」「いや、このように言った」という主観的なものではなく、あくまでも客観的に事故の分析をしてくださる機関はないものだろうかと、インターネットなどを利用して、全国の調査機関の存在を調べました。そこで、「鑑定機構 綾田成樹事務所」を知るところとなりました。主観を排した客観的な事実調査で事故の実態を調べるという理念に深くうなずき、わらにもすがる思いで連絡をとったところ、直接電話に出てくださった綾田先生が、「事実を明らかにします」とおっしゃってくださいました。すでに事故から長い期間を経ていましたが、ご快諾いただき、我が家では久しぶりに光明を見いだし、気持ちが和らぎました。

実際に現場に来てくださった綾田先生は、交差点の広さ、道路の幅、自転車の大きさ、高さなどを、何度も入念に調査なさいました。緊張する我々に対してずっと笑顔でご対応くださり、「このような方にここまで丁寧に見ていただけるなら、どのような結果が出ても納得できる」と感じたものです。妻は、リサーチ会社によって事実が大きく歪められたことにずっと落ち込んでいたので、綾田先生の調査とお人柄にふれて、久しぶりにほっとした様子でした。

事故当時の相手自動車の写真も得て、キズの高さ、大きさ、付着物体などを丁寧に検証してくださいました。そして、あらゆる物的証拠を集め、その物的証拠のみで検証を重ねた結果、「左側を直進する自転車に、後ろから来た自動車が接触してきたものである」という結論が得られました。鑑定の結論に至る過程では、あくまでも「物的証拠」の観点で、保険会社側が提示してきたレポートの中での複数の矛盾点も指摘していただきました。

先生の鑑定結果を拝見した際は、心から安堵しました。それまで、「事実」を認証してくれる第三者がまったく存在しなかったため、妻は長い期間不安でいっぱいだったと思います。私は、妻が大怪我をさせられただけでも言いようのない憤りを感じるというのに、しかもこちらに過失があるという、いわば虚偽のレポートまで作成され、「大資本の保険会社が相手であると、これほどまでにいいようにされてしまうのか
という不正義を痛感しながらも、どうすることもできずにおりましたので、経験と技術を駆使し、「事実」を明らかにしていただいた綾田先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。

多くの方に、このような事故が起きないことを願っておりますが、もしも何事かが起きた時には、写真を撮っておくなど、できるだけ多くの証拠を集めておくことをお勧めしておきたいと思います。綾田先生にご依頼をなさる際には、主観的な意見ではなく、何も言わない「モノ」が最も雄弁に事実を語ってくれます。

最後になりますが、綾田先生、本当にありがとうございました。相手側との交渉は今しばらく続くと思いますが、先生のおかげで、不利な立場が挽回できそうなだけでなく、心が救われました。

乗用車と歩行者の接触事故

平成26年に新潟市で発生した事故では横断歩道を渡ろうとした少年がたまたま通過中の乗用車に接触したとされる事故で、運転者は接触などに気づかずにそのまま走行したらひき逃げとして逮捕され拘留された。この事故の論点は警察が当該車両の側面からシリコンラバーで採取したとする形の間隔と少年が着用していたジャンパーの布目間隔が一致するとの鑑識鑑定が示された。そこで、現実に衝突が成り立つかを調べた鑑定を求められたことから少年が着用していたジャンパーと同じものを入手して電子顕微鏡で拡大した文様と一般的なジャンパー4着を同率拡大で対比するとほぼ同じ文様であることが明らかとなり、シリコンラバーで採取したとする形が布目痕としても少年が着用していたジャンパーにより付けられたとする「固有の整合性」は全くないことが判明した。また、警察が示した接触状態ならば少年の頭部が左サイドミラーに衝突して負傷することからその負傷が存在しない結果少年と乗用車は接触していないとの結論を示した。

バイクと中型トラックの事故衝突

平成25年愛知県碧南市で発生した事故は交差点内で中型トラックに原付バイクが転倒して衝突した事故とされたが、損傷したバイクが保存されており痕跡の生成状態を詳しく調べるとバイクは転倒して衝突しておらず、向かってくる中型トラックを回避するような逆向きとなった状態時に衝突を受けたことを結論として示した。

交差点信号の特定

平成25年に東京都稲城市で発生した事故は、交差点先で駐車中の軽自動車が発進したときに後方から乗用車が衝突した。この事故では衝突状態の解明よりも事故地より数十メートル手前に信号交差点があり、衝突した乗用車が通過した時の信号に注目して信号種別を解明した。解明の方法は軽自動車の運転者が衝突時刻より数分前のレシートを持っておりそれに所要時間を加えることで衝突時刻が判明し、その時刻から信号位置まで遡及すると乗用車は赤信号で通過したことが明らかとなり、信号待ちで停車するならば事故は発生していないと結論を示した。

ゴルフカーから転落事故

平成23年千葉県のあるゴルフ場でゴルフカーが左へ旋回中に後部に乗車していた女性が転落した事故が発生した。転落要因を解明するために同じ転回場とゴルフカーで再現実験を繰り返した結果、運転者の高速発進による遠心力で振り落とされたことが明らかとなり結論を示した。

人体落下の労災事故鑑定

平成23年に山口県岩国市で大型トラックの上部から従業員がトラックスケールの鉄板面への転落事故が発生した。この従業員の雇用企業から調査および再現実験の依頼を受けて実地した結果、負傷したと申告する従業員の事故状態ならば即死もしくは重症を負う衝撃力を受けることが明らかとなり、従業員の軽傷状態に照らし合わせ偽装事故との結論を示した。