久しぶりの四国

103以前にも数回、四国へ事故調査に出向いたが、久しぶりに香川県観音寺市で事故調査を行った。その帰りには岡山で鑑定相談を受けるために、列車で瀬戸大橋を渡ったが、日本の架橋建設技術の高さに驚いた。

小型フェリー事故での鑑定

 平成19年2月に広島県尾道市で接岸中の小型フェリー(渡船)から軽自動車が海中へ転落した事故が発生した。この事故では運転席と助手席に男性2名が乗車しており、二人とも海底から海面(約10m)まで浮上したが、その後助手席の男性は死亡し、当初から、小型フェリーがわずかに離岸したことだけが原因とされていた。
 しかし、事故調査する中で海底に沈んだ車両の運転席側ドアはロックされ、助手席側のドアは開いていた実態から、二人とも助手席側から脱出したことが判明した。そうなると、先に浮上した運転者が助手席に着座した者を乗り越えて脱出しており、これにより海水を多量に飲み込んで溺死したことを解明し、助手席の男性が死亡した原因は運転者の脱出行動にあることが明らかとなった。この裁判で地裁は、小型フェリー運行会社だけの責任であったが、鑑定書を提出した高裁では運転者の責任も認めたのである。

 

 

依頼人の声1

依頼者談
私達の大切な家族が交通事故に遭いました。その家族は、天気の良い昼間、見通しの良い道路を自転車を押して渡っている途中、右側から走って来た車と衝突して亡くなりました。どうして故人は亡くならなければならなかったのでしょうか?相手は、「出てくるとは思わなかった。」と話すだけで、止むを得ない出来事のように言われました。私達には、まるで故人が悪いから事故が起こったかのような言い分にとれました。

事故から3ヶ月が経ち加害者の保険会社の方が現れ、保険会社の言うことでは、直前横断により故人にも25%の過失があるということでした。私達は、なぜ故人に25%も過失があるのか疑問で、相手を許せない気持ちでいっぱいでした。故人は何も言えないので、故人の無念さを考えたときにどうすればいいのか判らなくなりました。

そんな折、職場の上司に弁護士を紹介していただきました。その弁護士と一緒にもう一度、当時の事を振り返ることにしました。やはり、加害者がきちんと前を見ていたなら事故は避けられていたであろう、人影を見た瞬間に速度を落としていたなら止まれたであろうという思いが強くてなりませんでした。しかし、私達は交通事故の専門家ではないので、どのような形で事故が起こったか正確に再現することはできません。

そこで、弁護士から鑑定機構を紹介していただきました。鑑定機構の綾田先生は、事故現場までかけつけてくださり、「中立公平で、残された痕跡から事故状況を明らかにしていきます。真実は一つです。周囲の人で事故状況、当初の事が判る人がいたら、もっと真実に近づく事ができます。」とおっしゃられました。そして、綾田先生による詳細な現場検証や付近への聞き取り調査などを基にした山岸先生の鑑定から、衝突時の推定速度が時速60kmを超えること、そして加害者が路側帯にいた故人を確認したのは実況見分調書よりかなり遠い地点であったということが判明しました。この鑑定を拠り所として、弁護士が保険会社と再交渉した結果、故人の過失割合を5%(加害者の著しい過失)にすることができました。

最愛の家族を亡くした悲しみはなかなか癒えることはありませんが、今回の交渉結果により、故人の無念が少しは晴れたように思います。そして、故人の思いを汲んでもらえた交渉結果が出たことで初めて、私達は視線を将来に向けることができるようになりました。綾田先生、山岸先生、本当にありがとうございました。
 
担当弁護士談
実況見分調書を基礎に鑑定する鑑定人が多いなか、「すべてをゼロの視点で見る」という理念のもと,自らの手で新たに現場検証をする鑑定人は少ないのではないでしょうか。先入観を排し事実だけを見ることは,鑑定だけでなく弁護士の業務においても極めて重要です。綾田先生・山岸先生の先入観を排し、あくまで真実を追求する真摯な姿勢に,当職も大いに触発されました。また,鑑定が必要となった際には,是非お願いしたいと思います。

車両火災の調査

 11月1日から3日まで、東海地方の2県で別々の車両火災事故を調査したが、このように焼失した車両を続けて調査することはまずあり得ない。この両事故でも、火災に至る以前の衝突が重要な論点である。

トラクター探し

現在、トラクターの事故を鑑定中である。このトラクターは約20年前のもので希少なトラクターであるが、現存する同型トラクターで検証写真と撮ることにした。
そこで、同型トラクターを所有する近隣の農家を探したところ、福島県耶麻郡西会津町と南会津郡下郷町で見つかったので、痕匠塾の内海と調査に出向いた。稲刈り前の忙しい時期に協力いただいた農家に感謝したい。
 

久しぶりの登山と事故調査

先日、エーデルワイス山岳会の仲間5名で、五葉山(岩手県)の登山に出向いた。あいにくガスがかかってきたが、登山道で鹿が出迎えてくれた。
その翌々日には、滋賀県の高島市に事故調査に出向いたがこれで昨年より3回目であり、すべて別件に事故である。今回の調査では、痕匠塾(西日本担当)の寺井が手伝ってくれたので非常に助かった。 

被災地での調査

13日から2日間、塩釜で発生した交通事故の現場調査を痕匠塾の佐久間と行った。調査が早めに終わったために、津波による被害を見るために女川まで出向いたが、写真で示すようにビルが横倒しになったままの状態に津波のエネルギーの大きさに改めて驚いた。そして、犠牲になられた方々の冥福を祈り合掌した。
 

事故調査

5月21・22日に千葉県内で発生したある事故の調査に出向いた。微痕が数か所に残されており、その生成時刻に違いがあることが判明した。
やはり、現物を直接観ることは重要である。 

連日の事故調査

3月31日から4月2日まで、愛知県と滋賀県で発生したある事故を調査するために出向いた。
2泊3日の強行スケジュールではあったが、多くの成果を得ることができた。
右は愛知県の勝川駅。


右は滋賀県の近江今津駅